モダン・ジャズ入門中

三十路も半ばを過ぎてモダン・ジャズにハマりました。

Art Blakey and the Jazz Messengers『Moanin'』

A1. Moanin' (Bobby Timmons) [9:35]
A2. Are You Real (Benny Golson, Lee Morgan) [4:50]
A3. Along Came Betty (Bobby Timmons) [6:12]

B1. The Drum Thunder Suite (Bobby Timmons) [7:33]
B2. Blues March (Bobby Timmons) [6:17]
B3. Come Rain or Come Shine (Harold Arlen, Johnny Mercer) [5:49]

 Lee Morgan – trumpet
 Benny Golson - tenor saxophone
 Bobby Timmons – piano
 Jymie Merritt – bass
 Art Blakey - drums

録音:1958.8.30 発売:1959.1
レーベル-No.:Blue Note - 4003

 

総評

・2管ハード・バップの理想像。「ポップに作ろう」と思ったとて こう上手く作れるもんじゃない、奇跡の1枚。大好き。

楽曲

・まさに「捨て曲なし」。全6曲、どれも一緒に口ずさめるキャッチーさ。ポップ。曲調も、A面3曲の流れは最高だし、B面はB1・B2と毛色の変わったものを置いて、B3はA面に通じるポップな曲で締める。素晴らしい。

・最後のB3「Come Rain or Come Shine」を除くと、あとは全てBenny Golsonを中心とするオリジナル。でもスタンダードであるB3と完全に調和していますね。

・ソロのきっかけ作りに過ぎないテーマ、ではなくって、楽曲としてしっかり成立している肉厚なテーマ。大好物です。

・編曲も素晴らしい。例えばA2「Are You Real」のピアノ・ソロの後半にホーンがハーモニーを添えているのとか、A3「Along Came Betty」で元のテーマに戻る前に新しいテーマが付け加わっている(4:50~)のとか、そういうちょっとした工夫が嬉しい。

演奏

・子供のころから聴いているせいか、あんまりソロをソロと思っていないというか、楽曲の一部として聴いている感じ。でもA1「Moanin’」のトランペットのソロの出だしなんかは、やっぱりいいなあと思いますが。自分にとっての「トランペットのいい音」の基準になっているかも知れない。

・トランペットと言えば、B1「The Drum Thunder Suite」で、ドラム・ソロが終わってドロロ~っとロールが掛かってトランペット・ソロに入るところ(2:06~)、すげえシビれますね。

録音

・1958年としては充分良いと思うけれど、ピアノがもうちょっと綺麗な音で録れてたらなあと思わないでもない。

ジャケット

・キマってますよね。Blue Noteのジャケットというとトリミングのイメージがあるけれど、これは写真(まるで肖像画のよう)をバン!と使っています。小細工一切不要!という感じで、名盤に相応しい名ジャケットだと思う。

聴いたきっかけ

・中学2,3年生かそれとももう高校生だったか、ジャズに関心を持って親のレコード箱から引っ張り出して聴いたもの。母の持ち物だったそうです。気に入って、MDに録音してよく聴きました。

この曲・この面

・これは決められない。強いて言えばA1「Moanin’」かB3「Come Rain or Come Shine」か。だからどっちの面が好きとも決められないなあ。

その他

・アルバムのタイトルを『Moanin’』としていますけど、ジャケットには「Moanin’」って書いていないんですね……かなり長いこと気付かなかったんですが。原題は『Art Blakey and the Jazz Messengers』で、Discogsによると1966年に『Moanin’』と改題したものが出ているようです。これはアメリカの話。邦題はどうなっていたのだろう?

・B1「The Drum Thunder Suite」には「ドラム・サンダー組曲」という邦題が付いていて、それはいいんですが、ならA1「Moanin'」にも邦題を付けた方が良かったのでは。だってカタカナで「モーニン」って書いてありゃ、誰だって「Mornin'」だと思うじゃないですか。まぁ「うめき」とか「嘆き」じゃあシマらないという気持ちは分かるんですが……。

 

 

※記事中の画像はYouTube Musicからの転載です。