モダン・ジャズ入門中

三十路も半ばを過ぎてモダン・ジャズにハマりました。

はしがき

ひょんなことからモダン・ジャズに どハマリして早3ヶ月、ジャズについての文章を書き溜めるためにこのブログを開設しました。

ミュージシャン名やアルバム名・曲名、レーベル名などは総じてアルファベット表記しています、検索のご参考まで。

専らサブスクで聴いていますので、レコード収集等に有益な情報は一切出て来ないと思います、悪しからず。

 

※2023年11月現在。

10インチから再編された12インチLPはなんか嫌

10インチLPから再編された12インチLPというのがありますね。有名なところだと、Miles Davisの『Bags’ Groove』とか『Walkin’』とか。あれがなんか嫌だ(個人の感想です)。「オリジナルの形で聴きたい」と思ってしまうのである。

あと複数の作品が混ぜ込まれているせいで録音日やパーソネルがごちゃつくのもなんか気持ち悪い。

ついでに言うと、「Thelonious Monkはトリオ・アルバムとしては『Thelonious Monk Trio』を残しており」みたいな説明も、個人的に結構引っ掛かる。いや、残したのは10インチの『Thelonious』と『Thelonious Monk Plays』であって、『Trio』はそれを利用した編集盤じゃん、と。

というわけで(?)、私は『Thelonious Monk Trio』はオリジナルの10インチ『Thelonious』と『Thelonious Monk Plays』に分けて聴いているし、『Horace Silver and the Jazz Messengers』はオリジナルの10インチ『Horace Silver Quintet (Volume 3)』と『同(Volume 4)』に分けて聴いているし、『Max Roach and Clifford Brown』は12インチに再編される際に加えられた2曲(「The Blues Walk」「What Am I Here For?」)は取り除いて聴いている。こういうのは、まあ性格ですね。

上で挙げた内、『Max Roach and Clifford Brown』では、追加された2曲はA面とB面の末尾にそれぞれ置かれている。これは「ボーナス・トラック」的な扱いが明瞭で、良い対処法だと思う。

これに対して、『Horace Silver and the Jazz Messengers』の場合、A面に『Horace Silver Quintet (Volume 3)』が、B面に『同(Volume 4)』がそれぞれ丸々収められている……のだったら文句なかったのだけど、微妙に曲の入れ替えがあるのですよね。時間配分の都合かと思うんだけど、これはどうもムズムズする。

で、もっと悪いのが『Thelonious Monk Trio』だ。

Thelonious Monk Trio』の嫌なところ

まず、上述のように『Thelonious』と『Thelonious Monk Plays』(以下『Plays』)から再編したとは言っても、実は『Plays』からはB面の2曲(これでB面全曲)しか入れていない。これがまず落ち着かないのだけれど、更に曲の配置がマズい。これはトラックリストを見てもらうのが早いので見てください。○印が元々『Thelonious』A面に入っていた曲、●印が同B面に入っていた曲、@印が『Plays』に入っていた曲である。

 ○A1. Little Rootie Tootie
 ○A2. Sweet and Lovely
 ○A3. Bye-Ya
 ○A4. Monk's Dream
 ●A5. Trinkle Tinkle
 ●A6. These Foolish Things

 @B1. Blue Monk
 @B2. Just a Gigolo
 ●B3. Bemsha Swing
 ●B4. Reflections

あー、ムズムズする! 本棚にマンガが巻数バラバラで並んでいるのを見るような気分になる。

嫌なのは次の2点である。

(1)『Thelonious』B面に入っていた曲が、A面とB面に泣き別れになっている。
(2)『Plays』からの2曲が、『Thelonious』B面曲群に割り込む形で収められている。

でも実はそれだけではない。元々『Thelonious』は、A面とB面でセッション日が違っていて(A面が52年10月、B面が同12月)、A面はArt Blakeyが、B面はMax Roachがそれぞれドラマーを務めている(ベースはどちらもGary Mapp)。つまりA面がBlakey Sideで、B面がRoach Sideだったわけである。整然としているでしょう?

ところがこれに『Plays』(54年9月録音)を混ぜ込むことで、まず1枚のアルバムの中に52年と54年の録音が混在している(しかも、54年の録音が52年の録音の後に置かれるのではなくって、52年のものに挟まれている)し、かつパーソネルもごちゃつくことになった。『Plays』の2曲の内、「Blue Monk」はトリオで、ドラムはまたもArt BlakeyでベースはPercy Heath。もう1曲の「Just a Gigolo」はMonkのソロ。この結果、アルバムのパーソネルを見た時に、ベースはMappなのにB1だけHeathという、実にヘンな感じになってしまっている。

でもこれだって、元々の『Plays』を見れば、全体がMonkとBlakeyとHeathのトリオ、ただしB2のみMonkのソロ、ということで、実にスッキリしたものなのだ。

というわけで、今では私にとって『Thelonious Monk Trio』は「聴かない」アルバムになっている。その代わり『Thelonious』と『Thelonious Monk Plays』というオリジナルの形で聴いているというわけ。これでいいのだ。

 

ところで、では『Trio』に収められなかった『Plays』A面(2曲。「Work」「Nutty」)は、一体どうなったのであろうか? ……実は別の12インチLPに収められたのですね。しかも『Thelonious Monk and Sonny Rollins』っていう……『Plays』にはRollinsは参加してないのに……私には理解できない処置である。

ちなみに、『Trio』のCDにはこの「Work」と「Nutty」がボートラで収められているものがある。つまり、素材としてはオリジナルの『Thelonious』と『Plays』の素材が全て揃っている(ので、並び替えればこの2枚が復元できる)。これはナイス采配である。

 

橋の上

Sonny Rollinsが1960年前後にシーンから姿を消していた際、橋で練習にいそしんだというのは有名な話。私も、ジャズにハマる前から聞き覚えがあった。

――で、先日、それが橋の「上」だったと知って、結構びっくりした。私はてっきり橋の「下」で練習していたのだと思っていたのである。

日本だと、橋桁のふもとで楽器を練習するというのは今でも割とよく見られる風景だと思うが、あれをイメージしていたわけである。

それが橋の上となると……それは、私の感覚では「練習」ではなくて「パフォーマンス」である。

当初はブルックリン・ブリッジで練習していたのである。しかし、ここは橋を渡る通行人も多く、練習に集中できなかった。そこでウィリアムズバーグ・ブリッジに移動することにした。こちらは橋の距離が長いこととマンハッタン側の出口が不便な場所にあったことから歩行者が少なく、練習には最適な場所だった。しかししばらくすると、橋の上でサックスを吹いているロリンズの写真がダウンビート誌に掲載されてしまう。それでロリンズは再び注目を集め、今度はめったにひとの来ないニュージャージーの公園に練習場所を移したという。

小川隆夫『おもしろジャズ事典』142頁)

……うん、そりゃそうなるよねぇという感じ。

で、1962年、満を持しての復帰作のタイトルがご存じ『The Bridge』。定冠詞のthe、「“あの” 橋」と来たもんだ。うーん、ちょっとこれは出来すぎというか、ある種の「ヤラせ」なんじゃないかと感じてしまう。いや、Rollinsは好きなんですが。

ちなみにこの『The Bridge』、個人的にはいまひとつピンと来ないんですが、A面1曲目の「Without a Song」は結構好きです。

 

 

モダン・ジャズにハマって3ヶ月の者が選んだ9枚のアルバム

今年の夏にモダン・ジャズに唐突にハマって、早3ヶ月。そのファン歴3ヶ月のズブの素人が、現時点までで聴いてきた中で特に「これはイイ!」と思ったアルバムは何であるのか――を、ここでご紹介したい。

全9枚。順位は付けられないので録音の古い順に並べてみると、次の通り。

 

・Herbie Harper『Herbie Harper』(1955年)

A級かB級かで言えばB級だと思うんですが、気軽に聴けるし、聴いてみると楽しめる。ちょっと特殊な編成で、ほのぼのとさせられるし、他のアルバムとは違う個性がある。ジャケットも良いしね。A3・B3が特に好き。

 

Tommy Flanagan『Overseas』(1957年)

Tommy Flanaganのピアノももちろん良いのだけれど、Elvin Jonesのドラムがピアノを”食う”勢いで叩きまくっているのが大きな個性となっている。B面の最後の3曲は圧巻。

ピアノ・トリオだとRoy Hayes『We Three』も3者がっぷり組み合った趣があっていいですね。ほか『Ray Bryant Trio』『My Fair Lady』と、好きなものを並べてみるとピアノ・トリオと言っても色々あるんだなあと思う。

 

Sonny Rollins『Newk’s Time』(1957年)

Rollinsと言えばもちろん『Saxophone Colossus』なんですが、Max RoachよりもPhilly Joe Jonesが好みだ、ということでこちらを。サックスのボディがビンビン鳴っている感じがする。「Asiatic Raes」にはガツーン!と来ました。アルバムの終わり方もチャン、チャン♪という感じで良い。

ワン・ホーンものとしては、Johnny Griffin『Introducing Johnny Griffin』、Lee Morgan『Candy』、Oscar Peterson Trio, Clark Terry『Oscar Peterson Trio + One』も気に入った。

 

・Art Blakey & the Jazz Messengers『Moanin'』(1958年)

奇跡の1枚。とにかく捨て曲なし、全曲一緒に口ずさめる、というのが得がたい魅力。9枚に順位は付けていませんが、もし付けるなら1位はこれかなあ。

 

Horace Silver『Blowin' the Blues Away』(1959年)

Horase Silverは贔屓のジャズマンで、『Doin’ the Thing』や『The Cape Verdean Blues』も良いアルバムだし前作の『Finger Poppin’』にもイイ曲が入っているんですが、アルバムのトータリティーで言えばやっぱりこれかなあ。いつでも安心して聴けます。

 

Thelonious Monk『Thelonious Alone in San Francisco』(1959年)

Monkに限らず、ソロ・ピアノの作品は今のところこれしか聴いたことがない。今まで聴いた彼のアルバムは本作と『Thelonious Monk Trio』と『5 by Monk by 5』の3作。どれも良いけれど彼のピアノが一番じっくり味わえるのはこれかなあ、ということで選出。録音も非常に良いしね。

 

・Tina Brooks『True Blue』(1960年)

何と言ってもA1「Good Old Soul」のテーマ、この哀愁! モダン・ジャズを今まで聴いてきた中で、屈指の名曲として挙げたい。A3「Theme for Doris」、B2「Miss Hazel」と併せて、オリエンタルな味わいを感じる。唯一無二でかけがえのない1枚。

 

渡辺貞夫渡辺貞夫』(1961年)

素晴らしく充実した1枚。録音もいいし。A2・B2のようなバラードを聴いていると、本当に素晴らしいアルトだなあと感じる。A1・B1のような2管のテーマも非常に気持ちよい。渡辺貞夫秋吉敏子、八城一夫の作を含んでいるのも嬉しい。

 

Gerry Mulligan『Night Lights』(1962年)

これはいい。何がいいって、テーマのアレンジに色々な工夫が見られるんですね。最初のテーマはソロ演奏だったのが、最後ではハーモニーが付いているとか。全体的に「しっとり系」の統一したムードを持ちながら、意外と曲調にバリエーションがあるのも名盤のゆえん。

 

 

……と、愛聴盤を9枚挙げてみました。編成で言うとツー・ホーンを中心とする多管編成が一番好みなので、そのスタイルのアルバムが多くなった。

なお、「10枚」にしなかったのは、Miles Davis『Kind of Blue』(1959年)に敬意を表して「欠番」としたつもり。あと、『Kind of Blue』は気軽に聴けないというか、聴くからにはしっかり向き合わないとという感じがするので(『A Love Supreme』も同様)、ちょっとここでの並びに合わないなという思いもあって外したという面もある。

 

 * * * * * * *

 

ところで、そもそもこれまでにどういうアルバムを聴いた上でこの9枚(10枚)を選んだのだよ――という点に関心を持たれる方もあるかも知れないので、ご参考までにこれまでに聴いた(記憶のある)アルバムの一覧を下記に掲げます。なおこの3ヶ月で聴いたのは12.『My Fair Lady』以降で、それより前のものはジャズにハマる前に聴いていたもの。

 

1. Miles Davis『Cookin'』
2. Wes Montgomery『A Day in the Life』
3. Art Blakey & the Jazz Messengers『Moanin'』
4. Charles Mingus『Pithecanthropus Erectus』
5. Curtis Fuller『Blues-Ette』
6. Miles Davis『Kind of Blue』
7. Sonny Rollins『Saxophone Colossus』
8. Bill Evans Trio『Waltz for Debby』
9. Django Reinhardt『Djangology』
10. Bill Evans, Jim Hall『Undercurrent』
11. Eddy Louiss Trio『Eddy Louiss Trio』

12. Shelly Mann & His Friends『My Fair Lady』
13. Tommy Flanagan『Overseas』
14. John Coltrane『Blue Train』
15. Sonny Clark『Cool Struttin'』
16. Duke Ellington, Charles Mingus, Max Roach『Money Jungle』
17. Lee Morgan『The Sidewinder』
18. Oscar Peterson Trio, Clark Terry『Plus One』
19. Grant Green『Idle Moments』
20. Red Mitchell『Presenting Red Mitchell』
21. Thelonious MonkThelonious Monk Trio』
22. Jutta Hipp『With Zoot Sims
23. Jutta Hipp『At the Hickory House Vol. 1』
24. Marian McPartland『At the Hickory House』
25. Terry Pollard『Terry Pollard』
26. Sonny RollinsSonny Rollins Vol.2』
27. Jutta Hipp『At the Hickory House Vol. 2』
28. Lorraine Geller『At the Piano』
29. Lee Morgan『Candy』
30. Clifford Brown, Max RoachClifford Brown and Max Roach
31. Art Blakey & The Jazz Messengers『The Big Beat』
32. Horace Silver『Blowin' the Blues Away』
33. Herbie Harper『Herbie Harper』
34. Mary Osborne『A Girl & Her Guitar』
35. Dorothy Donegan『September Song』
36. Tina Brooks『True Blue』
37. Sonny Rollins『Newk's Time』
38. Sonny Rollins『Night at the Village Vanguard
39. Sonny Rollins『The Bridge』
40. John Coltrane『A Love Supreme』
41. Horace Silver『Finger Poppin'』
42. Philly Joe Jones『Drums around the World』
43. Gerry Mulligan『Night Lights』
44. Horace Silver『Song for My Father』
45. Big Four『Original Big Four』
46. 渡辺貞夫渡辺貞夫(1961)』
47. Horace Silver『The Cape Verdeen Blues』
48. Miles DavisRelaxin'』
49. Curtis Counce『Landslide』
50. Cannonball Adderley『Somethin' Else』
51. Horace Silver『Doin' the Thing』
52. Horace SilverHorace Silver & the Jazz Messengers
53. Johnny Griffin『Introducing Johnny Griffin
54. Oscar Peterson『Plays Cole Porter Song Book』
55. Ray Bryant Trio『Ray Bryant Trio』
56. Red GarlandRed Garland's Piano』
57. Roy Haynes『We Three』
58. Junior Mance『Junior』
59. Hampton Hawes『Everybody Likes Hampton Hawes
60. Bill Evans『Portrait in Jazz』
61. Thelonious Monk『5 by Monk by 5』
62. Thelonious Monk『Thelonious Alone in San Francisco』

 

※記事中の画像はYouTube Music、Discogs、Amazonからの転載です。

 

Red Mitchell『Presenting Red Mitchell』

A1. Scrapple from the Apple (Charlie Parker) [5:27]
A2. Rainy Night (Red Mitchell) [5:20]
A3. I Thought of You (Red Mitchell) [5:17]
A4. Out of the Blue (Miles Davis) [6:15]

B1. Paul's Pal (Sonny Rollins) [6:55]
B2. Sandu (Clifford Brown) [5:31]
B3. Cheek to Cheek (Irving Berlin) [8:06]

 Red Mitchell – bass
 James Clay - tenor saxophone, flute
 Lorraine Geller – piano
 Billy Higgins - drums

録音:1957.3.26 発売:1957
レーベル-No.:Contemporary - C3538

 

総評

・ジャケ良し、録音ヨシ、演奏ヨシ。楽曲にもうちょっとコクがあればなあという感じもするんですが、言い換えれば「あっさりさ」が個性の1枚とも言えそうです。ウェスト・コーストらしいというんでしょうか。ベース・ソロが多い(=全体の音量が大きくならない)のと、ワン・ホーンなんですが半分はフルートなので、ガツンと来ない。ある程度の密度と軽快さのあるものが聴きたいけれどガツンとは来てほしくない、という時にしっくり来るアルバムと言えそうです。

・「あ、ピアニストは女性なんだ」「そう言えばジャズ・ミュージシャンに女性って全然見かけないな」ということで、モダン・ジャズの中の女性プレイヤーに意識を向けるきっかけになったアルバムです。

 

楽曲

・ベーシストがリーダーのアルバムということでやっぱりベース・ソロが多めですね。全曲に割と長めのソロがあるんじゃないかな。バッキングが充分優れているので、ソロはもっと少なめで良かったかなと個人的には感じる。

・ただ、ベース多めということが先述の「ガツンと来ない」ムードを作ってもいるので、長所とも言えそうです。

・A2とA3がRed Mitchellのオリジナルだそうですが、どちらもいい味を出していると思う。A2「Rainy Night」は、イントロでフルートとベースの高音部が絡むのが面白い。A3「I Thought of You」は、最初と最後でフルートとピアノがピロピロ……と重なるのが、ちょっと東洋的で面白い。

 

演奏

・Red Mitchellのベースの巧みさが充分伝わる。B3「Cheek to Cheek」での、速いテンポでの4ビートの安定感なんか素晴らしい。ソロも、ベース・ソロは総じて苦手なんですが、本作のソロは結構聴けるなという感じがします。

・Lorraine Gellerのピアノは、A3「I Thought of You」情感たっぷりのピアノ・ソロが、こりゃもう「完璧」と呼んで良いんじゃないかと思うほどの素晴らしい出来映え。どの部分を取ってもイイのだが、殊に2:14で軽く "ポーン" と弾く高音のドの音、これがもう最高! あまりに良いので、そのあとのフルート・ソロの間もベース・ソロの間も伴奏のピアノを聴いてしまうほど。

・James Clayのサックスも好みです。フルートと半分ずつ分担しているのが、いいバリエーションを生んでいると思います。

・Billy Higginsのドラムもいい。ハイハットの刻みなんか、聴いていて非常に気持ちいい。録音が良くてよかった、と思える。

 

録音

・音、良いです。とても50年代とは思えない。「90年代です」と言われたら信じてしまうと思う。サックスはちょっとマイク近すぎるんじゃないかとも思うけど。ベースとドラムの音がクリアなのが嬉しいし、あとLorraine Gellerのピアノが綺麗な音で録れているのが有難い。

 

ジャケット

・やや野暮ったいながらも、名ジャケ。猫が写っているというだけでなくって、いっちょまえにベースを弾こうとしているように見える点がポイント高いです。背景の、影がくっきり映った壁も良い感じ。

 

聴いたきっかけ

・これはジャケ買いならぬジャケ聴きです。『ジャズのすゝめ』というムックにこのレコードが出ていて、「内容はともかく猫ジャケとして秀逸」みたいなことが書いてあって、聴いてみたら内容もイイじゃん、という。

 

この曲・この面

・曲は、やっぱりGellerのソロが大好きなA3「I Thought of You」、これに尽きます。面で言ってもA面の方が好み。

 

 

※記事中の画像はDiscogsからの転載です。

 

モダン・ジャズの女性奏者たち【工事中】

モダン・ジャズの「名盤ランキング」みたいなのを見ていると、プレイヤーに女性が全っ然出てこないので何とも言えず居心地悪い気持ちになることがある。一例として、『スイングジャーナル』2001年1月号掲載の「21世紀に残したい読者が選ぶ名盤ベスト100」を見ると、アルバム100作の中で、リーダーが女性のアルバムは(ヴォーカルを除くと)1作もない。たぶん、リーダー以外のプレイヤーとしても女性はほとんど(全く?)含まれていなんじゃないだろうか。現代の日本だと女性のジャズ・プレイヤーは簡単に挙げることができるので意外な感じがするけれど、他のランキングでも状況はほぼ同じかと思う。

そこで気になって「モダンジャズ 女性 プレイヤー」とかで検索してみても、日本語のサイトではヴォーカル関係の記事ばかりがヒットして、私が知りたい「1950年代あたりの、モダン・ジャズの女性楽器奏者」をまとめてくれている記事は見当たらない。

一方、英語で "jazz female instrumentalists"などと検索してみると、いくらかは目当ての内容の記事がヒットする。そうした記事などを頼りに、ぽつぽつと女性プレイヤーのリストを作って作品を聴いていっているところである。

というわけで本記事では、同じような考えを持つ人のために、「1950年代にリーダー作を出している」ということをおおよその基準にして、女性ジャズ奏者のリストを示そうと思う。本当なら1人ずつ紹介文を添えたいところだけれど、それをしだすといつまで経っても公開できなそうなので、とりあえずはどんどん名前を列挙していきます(順番はおおむね生年順)。

 

Mary Lou Williams メアリー・ルー・ウィリアムス [1910-1981]

ピアニスト、かつ作曲家・編曲家。大西順子曰く「私たち、女子ジャズからすると教祖みたいな人」*1

 

Marian McPartland マリアン・マクパートランド [1918-2013]

ピアニスト、イギリス出身。モダン・ジャズの白人女性ピアニストとしては、ユタ・ヒップに次いで有名な人じゃあるまいか。『At the Hickory House』(1955年リリース)はトリオ主体ながらチェロやハープも導入した面白い作品。

 

Hazel Scott ヘイゼル・スコット [1920-1981]

ピアニスト。クラシックの分野でも活動していたとのこと。日本では作品よりも、Art Blakey and the Jazz MessengersAu Club Saint-German (サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ)』所収の「Moanin’ with Hazel」で有名かも。

 

Mary Osborne メアリー・オズボーン [1921-1992]

ギタリスト。リーダー作『A Girl and Her Guitar』(1960年リリース)はオーヴァー・ドライヴ気味のギター・プレイがカッチョイイ。

 

Roy Kral ロイ・クラール [1921-2002]

ボーカル・デュオ Jackie and Royで知られる人ですが、ピアノも弾くとのことなので一応リスト入り。

 

Dorothy Donegan ドロシー・ドネガン [1922-1998]

ピアニスト。クラシック仕込みの、ゴージャスなプレイ。60年代には『The Ed Sullivan Show』にも出演しています。めちゃ上手。

後年には、あの『Sesami Street』にも出演(1995年、エピソード3383)。YouTubeで動画が見られますが、めちゃめちゃカッコイイです。

50年代の作品としては、『September Song』(1956年リリース)・『At the Embers』(1957年リリース)等。長く活動した人なので、70年代や80年代のライブ盤なんかも良さそうです。

 

Beryl Booker ベリル・ブッカー [1922-1978]

ピアニスト。

 

Barbara Carroll バーバラ・キャロル [1925-2017]

ピアニスト、かつボーカリスト

 

Adelaide Robbins アデレード・ロビンズ [ - ]

謎のピアニスト。Marian McPartland、Barbara Carrollとの連名で『Looking for a Boy』(1957年リリース)というアルバムを出しているが、他の情報が見当たらない(Discogsにもこのレコードのみ)。

 

Jutta Hipp ユタ・ヒップ [1925-2003]

ピアニスト、ドイツ出身。かのBlue Note 1500番台に3枚のアルバムを残しているので、モダン・ジャズの女性プレイヤーとしては最もよく知られている人だろう。

 

Clora Bryant クローラ・ブライアント [1927-2019]

トランペッター。1940年代にInternational Sweethearts of Rhythmという女性だけで構成されたビッグバンドがあり、彼女はそのメンバーだったそうです。歌いつつトランペットも吹くというスタイルで、リーダー作『Gal With A Horn』(1957年リリース)を残している。

 

Melba Liston メルバ・リストン [1926-1999]

トロンボーン奏者、編曲家等。リーダー作『Melba Liston and Her 'Bones』(1960年リリース)。

 

Lorrain Geller ロレイン・ゲラー [1928-1958]

ピアニスト。リーダー作としては『At the Piano』(没後の1959年リリース)、及び夫であるHerb Gellerとの共作である『The Gellers』(1955年リリース)がある。『At the Piano』はちょっと変わった雰囲気で面白い。あと個人的にはRed Mitchell『Presenting Red Mitchell』(1959年リリース)での演奏が、録音も良くておすすめ。

 

Vi Redd ヴァイ・レッド [1928-2022]

アルト・サックス奏者、かつボーカリスト。両方をフィーチャーした初期のリーダー作が『Bird Call』(1962年リリース)。

 

Muriel Roberts ミュリエル・ロバーツ [1929-2014*2]

ピアニスト。リーダー作『Flower Drum Song』(1959年リリース)、『Music for All Times & Seasons』(1965年リリース)。

 

Toshiko Akiyoshi 穐吉敏子 [1929- ]

言わずもがなのピアニスト、作曲家。

 

Joyce Collins ジョイス・コリンズ [1930-2010]

ピアニスト。リーダー作『Girl Here Plays Mean Piano』(1960年リリース)。

 

Terry Pollard テリー・ポラード [1931-2009]

ピアニスト、ヴィブラフォン奏者。リーダー作『Terry Pollard』(1955年リリース)。ピアノ・トリオを主体としつつホーンやギターも入ったバラエティー豊かな1枚。

また、本ページの趣旨からして見過ごせないのが『Cats vs. Chicks - A Jazz Battle Of The Sexes』(1954年?リリース)。タイトルからも察せられるように男性バンドと女性バンドのバトルという趣のアルバムで(両者とも同じ曲を採り上げている)、その女性バンドの方のリーダーがこのTerry Pollard。そしてバンドメンバーは(当然ながら)全員女性で、Beryl Booker(ピアノ)、Norma Carson(トランペット)、Corky Hecht(ハープ)、Mary Osborne(ギター)、Elaine Leighton(ドラム)、Bonnie Wetzel(ベース)という面子。

 

Dorothy Ashby ドロシー・アシュビー [1932-1986]

ジャズ・ハープ奏者には女性が結構いたみたいだ。その中で断トツで有名なのが彼女ではないかと思います。『Soft Winds』(1961年リリース)はハープ、ヴィブラフォン、ベース、ドラムのカルテット編成だが、ヴィブラフォンはTerry Pollardが演奏していますので、女性2:男性2という理想的?な男女比の構成となっている。

あと珍しいところで、Stevie Wonderの作品に参加しています。代表作の1つ『Songs in the Key of Life』(1976年)に収録の「If It’s Magic」……伴奏はハープだけ、そのハープがDorothy Ashbyだそう。

 

Shirley Scott シャーリー・スコット [1934-2002]

オルガン奏者、作曲家、編曲家。ソウルフルなスタイルで知られる。単独リーダー作に加え、配偶者だったStanley Turrentineといくつかのリーダー作を残している。

 

Pat Moran パット・モラン [1934- ]

ピアニスト。リーダー作『This is Pat Moran』(1958年リリース)。

 

Alice Coltrane アリス・コルトレーン [1937-2007]

ピアニスト、ハーピスト等。John Coltrane『Live at the Village Vanguard Again!』(1966年リリース)への参加が有名か(ジャケットにも写っているし)。60年代後半からリーダー作あり。

 

 

Art Blakey and the Jazz Messengers『Moanin'』

A1. Moanin' (Bobby Timmons) [9:35]
A2. Are You Real (Benny Golson, Lee Morgan) [4:50]
A3. Along Came Betty (Bobby Timmons) [6:12]

B1. The Drum Thunder Suite (Bobby Timmons) [7:33]
B2. Blues March (Bobby Timmons) [6:17]
B3. Come Rain or Come Shine (Harold Arlen, Johnny Mercer) [5:49]

 Lee Morgan – trumpet
 Benny Golson - tenor saxophone
 Bobby Timmons – piano
 Jymie Merritt – bass
 Art Blakey - drums

録音:1958.8.30 発売:1959.1
レーベル-No.:Blue Note - 4003

 

総評

・2管ハード・バップの理想像。「ポップに作ろう」と思ったとて こう上手く作れるもんじゃない、奇跡の1枚。大好き。

楽曲

・まさに「捨て曲なし」。全6曲、どれも一緒に口ずさめるキャッチーさ。ポップ。曲調も、A面3曲の流れは最高だし、B面はB1・B2と毛色の変わったものを置いて、B3はA面に通じるポップな曲で締める。素晴らしい。

・最後のB3「Come Rain or Come Shine」を除くと、あとは全てBenny Golsonを中心とするオリジナル。でもスタンダードであるB3と完全に調和していますね。

・ソロのきっかけ作りに過ぎないテーマ、ではなくって、楽曲としてしっかり成立している肉厚なテーマ。大好物です。

・編曲も素晴らしい。例えばA2「Are You Real」のピアノ・ソロの後半にホーンがハーモニーを添えているのとか、A3「Along Came Betty」で元のテーマに戻る前に新しいテーマが付け加わっている(4:50~)のとか、そういうちょっとした工夫が嬉しい。

演奏

・子供のころから聴いているせいか、あんまりソロをソロと思っていないというか、楽曲の一部として聴いている感じ。でもA1「Moanin’」のトランペットのソロの出だしなんかは、やっぱりいいなあと思いますが。自分にとっての「トランペットのいい音」の基準になっているかも知れない。

・トランペットと言えば、B1「The Drum Thunder Suite」で、ドラム・ソロが終わってドロロ~っとロールが掛かってトランペット・ソロに入るところ(2:06~)、すげえシビれますね。

録音

・1958年としては充分良いと思うけれど、ピアノがもうちょっと綺麗な音で録れてたらなあと思わないでもない。

ジャケット

・キマってますよね。Blue Noteのジャケットというとトリミングのイメージがあるけれど、これは写真(まるで肖像画のよう)をバン!と使っています。小細工一切不要!という感じで、名盤に相応しい名ジャケットだと思う。

聴いたきっかけ

・中学2,3年生かそれとももう高校生だったか、ジャズに関心を持って親のレコード箱から引っ張り出して聴いたもの。母の持ち物だったそうです。気に入って、MDに録音してよく聴きました。

この曲・この面

・これは決められない。強いて言えばA1「Moanin’」かB3「Come Rain or Come Shine」か。だからどっちの面が好きとも決められないなあ。

その他

・アルバムのタイトルを『Moanin’』としていますけど、ジャケットには「Moanin’」って書いていないんですね……かなり長いこと気付かなかったんですが。原題は『Art Blakey and the Jazz Messengers』で、Discogsによると1966年に『Moanin’』と改題したものが出ているようです。これはアメリカの話。邦題はどうなっていたのだろう?

・B1「The Drum Thunder Suite」には「ドラム・サンダー組曲」という邦題が付いていて、それはいいんですが、ならA1「Moanin'」にも邦題を付けた方が良かったのでは。だってカタカナで「モーニン」って書いてありゃ、誰だって「Mornin'」だと思うじゃないですか。まぁ「うめき」とか「嘆き」じゃあシマらないという気持ちは分かるんですが……。

 

 

※記事中の画像はYouTube Musicからの転載です。

 

ジャズを熱心に聴き始めて驚いたこと いくつか

録音の質が高い

ロックの感覚だと、各々の楽器の音がクリアに録音できるようになるのは60年代後半からという印象なのだけれど、ジャズのアルバムは50年代でも音の綺麗なものが珍しくないことに驚いた。もちろん作品によって善し悪しはあるけれど、50年代も後半になるとハッとするほど録音が綺麗なものがある。ロック・ファンとしては羨ましい。

 

録音年志向

これもちょっと意表を突かれたところで、例えば『Waltz for Debby』(1962年)なんて書いてあると、ロックやポップスのファンはこの1962年というのは疑いもなくリリース年であると考える。ところがジャズだとこれが録音年になるのですね。

これはジャズのセッション性・一期一会性と言うんでしょうか――そう言えば寺山修司はジャズのことを語る中で「日付のある音楽」という表現をしたけれど、そういうジャズの性質からして録音年の方が自然と重視されることになるのだろう。

あと、うがった見方をすれば、ロックやポップスほど大衆性がないということの反映とも見ることができる(例えば『Let It Be』であれば、これが "いつ録音されたか" よりも ”いつ発表されたか" の方が文化史的には重要である)。

ロックやポップスのようにオーバーダビングなんかを施して1曲を作るのに長期間かかるということがあまりないこととか、録音したものをすぐ発表せずにしばらく寝かせておくことがあるという習慣?なんかも影響しているのかも。

発掘音源なんかのことを考えると、確かに録音年を明示する習慣があるのは便利だと思う。

 

レーベル志向

これもなかなかに新鮮だった。ロックの場合、レーベルに注目して聴くというのはかなりマニアックな聴き方と言えるが、モダン・ジャズの場合はそれがかなり普通のことになっている。これはやっぱりBlue Noteの影響が非常に大きいのだろう。なにしろ1500番台とか4000番台なんてナンバリングが分かりやすいし、ジャケットの統一感もある。

それからレーベルのプロデューサー(Blue Noteの場合はもちろんAlfred Lion)がレコーディングにおいて実際にプロデューサーとしての腕を振るったことも、ジャズ・ファンをレーベルに着目させる一要因であろう(ロックの場合もプロデューサーは重要だけれど、別にレーベルに属しているわけではない)。

 

オーディオ志向

特にソフト面。音楽ブログを読んでいても、ジャズでは作品が収録されたソフト(≒レコード)自体への注目度が高い――というかそこに注目することが常識化していて、オリジナルだの再発だの、プレスがどうののスタンパーがこうのという話がごく当たり前に出て来る。もちろんロックやポップスでも話題になるところではあるけれど、注目の度合いはジャズの比ではない。

これは先ほどの「レーベル志向」とも微妙に結びついている志向だと思われる。「Blue Noteの1500番台を集めていく」みたいな感覚は普通のロック・ファンにはない、と思う。

「優秀録音盤」という観点も、もちろんジャズに特有とは言えないけれど(クラシックが本場?)、ロックに比べるとそこへの意識はかなり高いと思う。ディスク・レビューでもその点に留意した記述なんかがあって、これは素直に有難い。

 

楽器非志向

ミュージシャンが使っている楽器への関心が非常に低いように見えるのもロック・ファンからすると不思議な点である。ロックの場合、例えばJimi Hendrixのファンであれば、彼の使用ギターは勿論のこと、アンプやエフェクター、更にはギターを吊り下げるストラップにまで関心が及んでいる。概して、有名ギタリスト(またはベーシスト、またはドラマー)がどんな機材を使っているのかというのは、マニアでなくてもファンであれば基本的な情報は知っている。

それに比べると、ジャズ・ファンがミュージシャンの機材に対して有する関心というのはびっくりするくらい低いようだ。もちろん同業者(つまりミュージシャン)はそのあたり調べているのだろうけれど、普通のブログにそうした情報が示されることはまずないようである。もちろんエレキギターなどのようにモデルの違いが分かりやすくないという事情はあるが、それにしてもロック・ファンからするとかなり不思議な状況である。

 

選民思想

ジャズのアルバムをレビューしてくれている本やらブログやらをよく読んでいて、大変勉強になるし有難いのだけれど、割とあからさまな選民思想を感じてウッとなることが時々ある。

一例を挙げると、アルバムを紹介する際に「本作の良さが分からない人はジャズとは縁がないと思ってください」とか「この曲を聴いて心が震えない人は、もうジャズを聴かなくてよろしい」とかいった表現を、これまでに何度も見かけた。つまり他人がジャズを聴き続けるべきか否かを判定する権利を自分が持っていると、ナチュラルに信じているわけである。一体何様のつもりなのだろうか?

「ジャズが分からない人」と「ジャズが分かる人(自分を含む)」という構図が、ごく当然のものとして出来上がっている。言い換えれば、「ジャズは誰にでも分かるものではない」という前提がある。もし本当にそうだとするならば、それってジャズにとってむしろ悲しいことのはずなのに、むしろそれを喜んでいるフシがある(なぜなら自分は「分かる」側だから)。

 

オヤジ向け業界

なんかジャズ業界というのがオヤジ向けに作られてんのかなあ、と感じることがある。「女子ジャズ」なんて括りはその分かりやすい現れだろうし、あと結構気になるのが、ジャズ雑誌なんか読んでると、女性ミュージシャンの紹介文に「その美貌も相まって」とか「才色兼備」みたいな表現が今でも普通に使われていること。書き手としては褒めているつもりなんだろうけど、プロ(この場合は音楽家)が自らの仕事ではなく容姿に言及されるのって、それ自体が侮辱じゃないの……と、30代男性(私のこと)でも思うんだけど。

 

世間にはジャズが溢れている

これが一番驚いたことかも知れない。何しろ、蕎麦屋に入ってもカレー屋に入っても流れてるんだもの。ジャズがBGMによく利用されるということは知ってはいたけれども、まさかここまでとは。自分自身がジャズに積極的にコミットするようになって、初めてそのことに気が付いた次第。

しかも、そうしたBGMとしてのジャズが必ずしも「上っ面ジャズ」みたいな感じじゃなくて、結構面白かったりするんだよなあ。この前ショッピング・モールに行ったら「Asiatic Raes」がFreddie Hubberd『Goin’ Up』風のアレンジで流れていて、思わず聴き入ってしまった。